岡本居館
(おかもときょかん)

            浜松市北区三ヶ日町岡本    


▲岡本居館は古くから浜名神戸下司となった岡本氏の館であった。
(写真・墓地となった居館跡)

下司の館

三ヶ日町域には古来、伊勢神宮領が置かれ、浜名神戸と呼ばれていた。その現地支配を任された土地の有力者が下司と呼ばれる荘官である。

平安鎌倉期以来、浜名神戸岡本郷の下司荘官として郷名を名乗る岡本氏が存在したとされ、本姓は県氏で上古以来の浜名県主の分流の一つとされる。

当居館における岡本氏の名が確認できるのは寛正年間(1460-66)に岡本四郎左衛門尉、岡本七郎太夫、永正年間(1504-21)に岡本新三郎信久である。新三郎信久は後に安形源左衛門尉と称した。同氏は後に今川氏被官二俣城主松井氏の配下にあったとされている。

居館跡は土塁で方形に囲まれていたようだが、西側は国道拡幅時に削られている。東側には堀が残っているらしい。現在、土塁内側は岡本城山墓地となっている。


▲入口付近の東面の土塁。墓地入口を設けるために部分的に崩されている。

▲入口付近の南面の土塁。

▲土塁内側は全体が墓地となっている。

▲東面の土塁。

▲南面の土塁。
----備考---- 
訪問年月日 2023年5月2日 
 主要参考資料 「静岡県の中世城館跡」他

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