(てらべじょう)
▲ 寺部城は寺部鈴木氏の居城として戦国時代に築かれ、江戸時代に
は尾張藩家老となった渡辺氏の陣屋として幕末に至った城である。
(写真・土塁上の城址碑。)
松平氏との抗争に明け暮れた寺部鈴木氏の居城
文明年中(1469-87)に寺部城を築城したとされる鈴木下野守重時は鎌倉期に矢並(豊田市)に拠点を置いた鈴木重善の末裔で同族に酒呑鈴木氏や足助鈴木氏(真弓山城)等がある。寺部に城を築いて寺部鈴木氏となった重時は鎌倉期からこの地域(高橋庄)の地頭であり、足利将軍の奉公衆である中条氏(金谷城)の被官として高橋庄東部に勢力を張った。この時期、松平郷から岩津、安城へと勢力を拡大していた松平氏との摩擦は必至であった。 |
永禄三年(1560)の桶狭間合戦で今川義元が敗死した。岡崎に松平元康が自立、翌年には織田と松平の和睦が成り、西三河の情勢は大きく変わったが寺部城の鈴木重教は今川方のままで居続けたのであろうか。 |
▲城跡は城址公園となって渡辺氏時代の建物の礎石や井戸などが整備されている。 |
▲城址碑の建つ土塁。櫓台とも言われる。 |
▲城址西側の土塁。説明板によれば鈴木氏時代の遺構とされる。 |
▲寺部城址の説明板。 |
----備考---- | |
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訪問年月日 | 2013年12月15日 |
主要参考資料 | 「豊田の史跡と文化財」他 |